本学会について  About JACR

理事長挨拶

1.理事長挨拶

 

特定非営利活動法人日本心臓リハビリテーション学会 理事長 牧田 茂
(埼玉医科大学国際医療センター )

2022年8月1日をもちまして、理事長として第3期目を任されることになりました。すでに各委員会正副委員長、正副部会長も決定し、評議員を中心にメンバーの選出も終了いたしました。これから2年間積極的な学会活動や運営をよろしくお願いいたします。また会員の皆様方におかれましても、委員会・部会活動へのご協力をお願い申しあげます。

 さて、これまでの2期4年間の実績を振り返ってみますと、まず日本循環器学会と合同で「心大血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」が改訂されました。改訂時期とほぼ同じくして、循環器病対策基本法が成立しました。これでわが国の心臓リハビリテーションの意義と役割がしっかりと明記されることになりました。今後は、基本法のもとで作成された基本計画と日本循環器学会の脳卒中と循環器病克服第2次5ヵ年計画に沿って実行されていくものと期待されます。その一つの表れとして、今年度4月の診療報酬改定では、回復期リハビリテーション病棟での心大血管疾患リハビリテーション料の算定が可能となったことは、大きな一歩であったと思われます。関係各所の方々に改めて御礼申しあげます。実際の算定に当たっては、いろいろな制約がありますが、ゆっくりでもよいので着実に広げていくことが重要と考えています。そのための調査や普及への援助をしていきたいと考えています。

 また、今年度の厚生労働省科学研究費補助金事業で、維持期リハビリテーションと複合(合併症のある)リハビリテーションに関して、当学会と日本脳卒中学会が共同で応募した2つの課題がみごと採択されました。すでに当学会の理事の先生方を中心に研究グループが活動を開始しています。会員の皆様方にもご協力をいただきながら立派な成果を出していきたいと思っています。

 さらに、2020年4月には日本循環器学会が中心となり、8つの循環器関連学会が合同で日本循環器連合を立ち上げました。当学会も設立当初から加わっています。日本循環器連合内のリーダーシップミーティングもすでに7回開かれ、関連学会との情報共有や活動が密になってきています。学会運営や教育や診療における横断的な課題に対して連合を通じて解決を図っていくことになろうかと期待されます。

 当学会の会員数は15,000名を超え、多職種が正会員となっている循環器関連学会では最大規模を誇るようになっています。医師のみならず心臓リハビリテーションに関するメディカルスタッフが一堂に会して、同じ目線で活動するユニークな学会です。理事会構成も  医師22名、メディカルスタッフ8名であり、しかも女性理事が4名と他学会と比較してバランスのとれた構成になっています。今後は女性理事をさらに増やしていくことが重要と考えます。運営も順調であり事務局機能も強化されています。今期は委員会や部会の活動への予算や支部地方会や年次学術集会における支援を強化していきたいと思っています。

 学術活動も学術委員会やレジストリー・施設認定制度委員会を中心として J-ROAD DPCならびにJ-ROAD CRといった学会主導の学術研究が順調に行われ、J-CARRYといったレジストリー制度も発展しており論文化もすすんでいます。国際的には、国際交流委員会とAsiaPRevent部会が中心となって、ヨーロッパとアジア地域で継続的な交流ができるようになりました。今後は北米への交流を模索していきます。当学会で培われた学術研究が、諸外国と共同で行われるようになったら素晴らしいと思います。

 心臓リハビリテーション指導士や認定医・上級指導士育成は当学会の最も重要な活動の一つですので、引き続き普及と教育に努めて、質の高い心臓リハビリテーションの実践ができる人を育てていかねばなりません。現在6,600名をこえる指導士が登録されています。回復期リハビリテーションにおいても、多くの心臓リハビリテーション指導士が臨床現場で活躍できるように研修施設を充実していく必要があります。

 2023年は当学会設立30周年を迎える年になります。このためにワーキンググループを作り、記念行事や各種催事を皆様のお知恵をかりながら計画し30周年を迎えたいと思います。

 以上、これまでの経過と今後の展望を述べました。会員の皆様方には当学会の使命と役割をしっかりと認識していただき、心疾患患者さんのために、日本心臓リハビリテーション学会への更なるご支援とご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。