心臓リハビリテーション指導士認定制度委員会

■第18回日本心臓リハビリテーション学会認定・心臓リハビリテーション指導士講習会および認定試験は、第23回日本心臓リハビリテーション学会学術集会時の平成29年7月17（月）に行われました。

受験応募者は996名で、会員期間2年未満等により受験資格を満たさない応募者からの申請書類を除外して審査し、症例記載不適切、会費未納、辞退などを除いた839名を受験許可とし831名が受験しました。

自験例報告書は、ホームページでアナウンス致しました通り、様々な心臓リハビリテーションを実践してきたことを証明する場であるため、急性期のみの報告書、維持期のみの報告書、自分で運動療法や食事指導などを実施していない報告書等は不合格といたしました。

受験者の職種の内訳は、医師148名、看護師104名、理学療法士510名、作業療法士33名、健康運動指導士14名、臨床検査技師15名、管理栄養士6名、薬剤師1名でした。

筆記試験は、50問／60分の設問に対し、五者択一、一部2問選択のマークシート方式で行いました。得点分布は平均点61.7±11.2点(mean±SD)（分布30点～92点）、合格率は66.8％でした。これは、昨年とほぼ同様な数字でした。今回の受験合格者は555名となりました。

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■職種別合格率

今年も、運動生理学に関連する基礎や解剖、疾患概念、病態、食事・運動・禁煙指導の実際、心理的介入法など、幅広い範囲から問題を厳選して出題しました。どれも、すぐに臨床に役立つ内容ばかりです。自験例報告書で実臨床における心リハの経験度を評価し、筆記試験で知識を問う方式は現行の様式が続く限りは持続しますが、自験例報告書の扱いについて変くされる可能性がありますので、今後、試験を受ける予定のある方が身近にいらっしゃる方はホームページをよく見ておいてください。

CPX関係の問題では、単なる運動処方の域を超えて、9パネルを用いて運動中の病態を理解することができるかどうかを問う問題も出されました。運動により患者を治療するスタッフは、運動中の病態の変化を理解できていなければならないからです。ただし、嬉しいことに、今年もかなりの方がこれらの問題は正解しておりました。CPXを通して運動生理学をしっかりと理解できる心臓リハビリテーション指導士になって下さい。

心臓リハビリテーション指導士のハードルは低くありません。しかし、以上のことを理解して、心臓リハビリテーション必携をはじめとする書籍を読み込み、実際の現場で患者の検査結果を自分で評価し、多くの講習会・研究会に参加し、知識と経験を積んでください。それが合格への最高の道です。ちなみに、試験の多くは「–指導士認定試験準拠—心臓リハビリテーション必携」、およびホームページに記載されている参考図書や講習内容から出題されますが、その時々のトピックスも出題されます。心臓リハビリテーション関係の論文には、よく注意しておいて下さい。

合格した受験者の皆様、おめでとうございます。でも、これはゴールではなくスタートです。今は、ただ、「指導士」という肩書を手に入れ、 患者から少しだけ信頼されるようになっただけです。これから、さらに経験と研鑽を積み、患者の症状を治し、予後を改善させられるようになってこそ本当の指導士です。頑張りましょう。認定証は9月以降送付予定ですのでお待ちください。認定期間は平成29（2017）年9月1日～平成 34（2022）年8月31日です。資格維持のためには会員を継続することと、5年間に50単位の更新単位を取得することが必要です。単位申請は会場で行うことになっています。後日、郵送で行うことはありませんのでご留意下さい。また連絡先や所属が変更になった場合は、すみやかに事務局にご連絡ください。更新のお知らせ等の重要な情報が届かなくなる可能性があります。